こんにちは!中小企業サポーター行政書士の横山です。

先日、日本政策金融公庫の融資を申請し、満額融資が下りましたので、自分が取り組んだこと、準備したことをお話しします。特に今現在事業者は資金繰りについて頭を悩ませている真っ只中かと思います。少しでも参考になればと思います。

<目次>

1.融資をどこで受ける?銀行?それとも・・・

2.<ステップ1>生活を見つめなおそう

3.<ステップ2>事業を見つめなおそう

4.<ステップ3>事業計画書を作ろう

5.<ステップ4>借入の申し込みをしよう

(6以降は後編)

6.<ステップ5>面談までにこんなものを準備しよう

7.<ステップ6>いざ担当者との面談

8.<ステップ7>融資が決定してから最後の手続き

9.まとめ:ご利用は計画的に!

1.融資をどこで受ける?銀行?それとも・・・

弊所は開業して1年に満たない事業所ですので、創業融資一択でした。しかも私個人のことで言えば、行政書士業務未経験、人脈もありません。(元教員ですので、民間企業様とのやりとりなどありません)このとんでもない状況からどのように融資が下りたのか、どんな準備をしていったのか、記事にしていきます。

今回、私が融資を受けたのは日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は

①審査スピードが早く、

②自己資金要件が緩やかで、

③無担保・無保証人、

④政府系金融機関の安心感

という4つの理由から選択しました。

2.<ステップ1>生活を見つめなおそう

そのようなわけで、開業する1年以上前(おそらく開業しようと考えていた頃からなのでもっと前)から日本政策金融公庫で融資を受けようと考えていました。

融資を受ける際には通帳からお金の流れを見られるという話を聞いていましたので、日々のクレジットやローンの返済が滞ることのないように注意していました。(働いていたので滞ることはないのですが)

また、開業しようと考えていたのは5年ほど前からですが、そのころから「開業資金を貯めよう」と考えていました。

3.<ステップ2>事業を見つめなおそう

<ステップ3>事業計画書を作ろうで詳しく解説いたしますが、ここは非常に大事です。

今回銀行に提出した事業計画書は実は1年前(開業前)に作成していました。開業する頃に融資を受けるために使おうと思っていたものです。

結果的に開業して8か月経ってから融資を受けることになるのですが、それで良かったと思っています。(もちろん、創業する方にとってはそんな悠長なことは言ってられないと思います。ですので、このステップが創業前に大事になります。

先ほど良かったと言ったのは、1年前に作った事業計画書はあまりにも机上の空論だったからです。特に収支計画は夢物語もいいところです。

面接担当者は売上の根拠を徹底的に質問してきますので、お得意先がある、顧問になっている、などの確実な収入があるに越したことはありません。そういう自分の強みを徹底的に計画書に落とし込んでいく必要があります。

4.<ステップ3>事業計画書を作ろう

さて、本記事の山場となるステップです。私は自分の事業計画をパワーポイントで作りました。日本政策金融公庫からダウンロードできる創業計画書とは別の資料となります。このあたりは正解はないかと思うので、ワードでもいいでしょう。

パワーポイントの章立ては①プロフィール②提案の背景③事業コンセプト④事業理念⑤ビジョン⑥フェルミ推定によるニーズ分析⑦顧客ターゲット⑧事業の特徴⑨競合分析⑩ビジネスモデル⑪販売戦略⑫収支計画(月ごと、3年分)⑬人員・採用計画⑭リスク対策 これら合計20ページの事業計画書を用意しました。一つ一つ簡単にポイントを書きます。

①プロフィール・・・自分の強みをさりげなく。獲得した賞、資格など。真面目さや計画的な一面がアピールできると◎。経歴の中に今の事業との関連があればなお可。

②提案の背景・・・時代背景、日本の現状などから自分が起業してどういうことを成し遂げていきたいか

③事業コンセプト・・・事務所のキャッチフレーズ

④事業理念・・・事務所がどんな思いを大切にしているのか

⑤ビジョン・・・事務所として5年後、10年後にどうなっていきたいのか

⑥フェルミ推定によるニーズ分析・・・統計データをもとにした顧客の推計

⑦顧客ターゲット・・・事務所がターゲットとしている顧客を具体的に。年齢層、性別、住まい

⑧事業の特徴・・・事務所の強みをターゲットにどのようにアピールできるかを説明。

⑨競合分析・・自分の場合は同じ市内で自分と同じように個人で経営している事務所、司法書士等と連携して取り組んでいる合同事務所、法人化している事務所を代表で選び、それぞれの強み、弱みを分析し記載しました。

⑩ビジネスモデル・・・ビジネスモデルキャンパスを用いて、自分の事業を俯瞰できるようにしました。

⑪販売戦略・・・メニュー、価格、流通、宣伝の4分野を解説しました。

⑫収支計画・・・個人的な主観ではここが一番重要と考えています。

相手は返済できるかどうかを知りたいわけですので、根拠のある数字を並べていかねばなりません。先ほど一年前に事業計画書は作っていたと書きましたが、ここの部分は大きく訂正しました。

8か月間の損益計画書や貸借対照表をもとに月ごとの平均経費を算出し、令和3年~5年までの計画を作りました。売上についてが一番難しいところで、確実に最低限得られる収入という考え方と理想として得られる収入とを両面で考えていく必要があります。

自己資金と借入金との金額で一年ほどは事業を最低限継続していけるかを考えていきます。逆に言うと、借入金額がいくらでも設定できるわけではなく、この部分の説得力によって「そんなに融資必要じゃないですよね?」という話にもなる可能性があります。

5.<ステップ4>借入の申し込みをしよう

上記の借り入れ申込書は日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます。正確に記載していきましょう。

よく聞かれるのが、「お借入れ希望日」です。私は申込みをした月の月末にしました。支払い日等の事情があって希望日を設定する場合はその説明の準備はしておきましょう。

また、こちらの創業計画書ももちろん必須となります。こちらの創業計画書を記入した上で、足りない情報を事業計画書にて補うイメージとなります。「別添事業計画書〇ページ参照」などと書くことも必要です。

また、借入申込書、創業計画書、事業計画書がそれぞれ整合性がとれていない(必要経費等の数字が変わってしまっている)のはNGです。いずれかの書類を作成しているうちに考えが変わって数字が置き換わってしまうことがあるので注意しましょう。

この他、開業から申込日までの貸借対照表、損益計算書、(認定特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書)を用意し、直接日本政策金融公庫へ伺いました。

日本政策金融公庫では窓口で番号札を取り、2~3分して呼ばれ、書類のチェック、今後の日程(後ほど担当者から電話が来ること)の説明を受け、2~3分で終了。

翌日の午後に日本政策金融公庫の担当者から電話が来ました。10日後に面談をすることになり、必要書類が書かれた書類を郵送にて送付するとの連絡を受けました。

・・・とここまでお読みいただきありがとうございました。非常に長くなってしまったので、続きは後編にて話をしたいと思います。後編では、面談日当日の担当者とのやり取り、決定から入金までを解説いたします。

後編へ

ホームへ